マイクロカプセルができるまで マイクロカプセルの膜材・粒径について
マイクロカプセルができるまで
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乳化工程
乳化安定性をもった分散媒体中に芯物質(カプセルの中身)を滴状で分散させます。
水に溶けると滴状の形状を形成できないため、「疎水性」であることが条件となります。
また、「水に反応するもの」「毒性のあるもの」「気体」等は、カプセル化対応が難しいものとなります。 -
カプセル膜形成工程
乳化分散液を攪拌することで、膜材を芯物質に吸着させ、形状を整えます。
代表的な方法として、以下2通りがございます。
①分散媒中でつくられた膜物質を滴界面に吸着させる方法
②芯物質・分散媒のそれぞれに添加された物質が界面で反応し、膜をつくる方法
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カプセル膜安定化工程
カプセル膜を安定させるため、硬化剤、反応剤等を加えます。
液中で分散された安定したカプセルをスラリーと呼びます。
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インク化、パウダー化
スラリーに対し、用途に応じてインクやパウダーに加工します。
マイクロカプセルができるまで マイクロカプセルの膜材・粒径について
マイクロカプセルの膜材・粒径について
マイクロカプセルは、用途・芯物質との相性に応じて適した膜材・粒径(大きさ)を吟味し、生産します。
膜 材 | 対応形状・粒径 | |||
スラリー | インク | パウダー | ||
ゼラチン膜 | 安全性が高く、高強度です。 また、粒径の範囲が広く、粉体化が可能です。 インクは、主に水性シルクスクリーン印刷用として使用します。 (魚由来のゼラチン膜ご対応も可能です) |
10μm ⌇ 応御相談 |
20μm ⌇ 40μm |
100μm ⌇ 1500μm |
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耐水性が低いので、液中に分散させたままの状態で長時間保管の適正がありません。 豚由来のゼラチンを使用しております。アレルゲンのご心配がある場合は別途ご相談ください。 |
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メラミン膜 | 小粒径に適正があり、高強度です。また、粉体化が可能です。 パウダー生産の後、油性のインクに加工することも可能です。 |
5μm ⌇ 30μm |
応御相談 | 5μm ⌇ 30μm |
残留ホルマリンが含まれます。 |
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尿素膜 | 小粒径に適正があります。 高強度です。 |
5μm ⌇ 50μm |
5μm ⌇ 50μm |
× |
残留ホルマリンが含まれます。 |
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ウレタン膜 | 小粒径に適正があります。 ホルマリンフリーの膜材です。 |
5μm ⌇ 15μm |
5μm ⌇ 15μm |
× |
残留イソシアネートが含まれます。 |
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CMC膜 | 植物由来の天然素材です。 安全性が高い膜材です。 |
5μm ⌇ 10μm |
× | × |
強度が低く、用途によっては膜が破壊されやすい可能性があります。 |
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HPMC膜 | 植物由来の天然素材です。 安全性が高い膜材です。 |
20μm ⌇ 500μm |
× | × |
CMC膜と比べ高強度ですが、シール性に若干欠けます。 |
- 品質保持の観点から、水性カプセルインク(ゼラチン膜)状態での販売は、原則お請けし兼ねております。
ご希望の際は、弊社にて印刷加工まで併せてご用命頂ければ幸いです。
(油性インク購入のご希望や、その他ご質問がございましたら、別途ご相談ください) - 食品カプセルは、ゼラチン膜とHPMC膜でのご対応となります。
お気軽にご連絡ください03-3863-3076
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